第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌
比企郡神社明細帳
埼玉縣武蔵國比企郡七郷村(ななさとむら)大字勝田(かちだ)字前
村社淡洲神社(あわすじんじゃ)
一、祭神(さいじん)
保武田別尊*1
息長足日賣命*2
武内宿称命*3
菅原道真公*4
武甕槌命*5*1:保武田別尊(ほんだわけのみこと)…誉田別命・品陀和気命。応神天皇(おうじんてんのう)。応神天皇のこと。仲哀天皇の第四皇子。母は神功皇后。
*2:息長足日賣命(おきながたらしひめのみこと)…息長足媛命・息長帯比売命・気長足姫尊。神功皇后(じんぐうこうごう)。『古事記』『日本書紀』にみえる仲哀天皇の皇后。
*3:武内宿称命(たけのうちのすくねのみこと)…武内宿禰。『古事記』『日本書紀』にみえる、葛城・平群・巨勢・蘇我の四氏をはじめ二十八氏の祖先とされる伝承的人物。
4:菅原道真公(すがわらのみちざねこう)…平安前期の公卿・学者・文人(845-903)。学問・書・詩文にすぐれ、菅公と称され、後世、天満天神として祭られる。
*5:武甕槌命(たけみかづちのみこと)…日本神話で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が火神を切り殺したとき、剣に付着した血から化生(けしょう)した神。鹿島神宮の祭神。一、由緒
勧請*1年月不詳、宝永(ほうえい)年中(1704-1711)中宮(ちゅうぐう)建立、文化年中(1804-1818)上□建立、嘉永(かえい)年中(1848-1854)鳥居建立。
元淡洲明神ト唱来(となえきたり)シ処(ところ)御維新*2ノ際(さい)當号(とうごう)ニ改稱(かいしょう)ス。
明治四十年(1907)四月十七日同大字勝田字菅原臺無格社(むかくしゃ)天神社(てんじんじゃ)、生前無格社鹿島神社(かしまじんじゃ)ヲ本社ニ合祀(ごうし)ス。
明治四十一年(1908)三月三日上地林参畝(せ)八歩(ぶ)境内編入許可。一、社殿 本殿
一、境内 参百九拾九坪
一、氏子 四拾貮戸
*1:勧請(かんじょう)…神仏の分身、分霊を他の地に移してまつること。
「昭和38年度文書 埼玉県学事課 比企郡神社明細帳」
*2:御維新(ごいしん)…明治維新。