第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌
第二編 郷土研究
第三章 郷土の天文及び気界
第七節 郷土の気候
気温
熊谷に於けるものを次に記すと、
年平均 一三・一 毎日の昇降 一・六
最高温度 一八・七 絶対最高 三六・六(明治三十年八月四日)(1897)
最低温度 八・五 絶対最低 九・七(明治卅七年一月廿七日)(1904)その他の地
最高温度 浦和 三七・〇(明治卅三年八月廿七日)(1900)
野上 三八・四(明治四十二年七月十八日)(1909)
小鹿野 三八・二(明治四十二年七月十八日)
最低温度 大瀧 一四・八(明治卅七年一月廿七日)(1904)
浦和 一〇・九(明治四十二年一月十二日)
大宮・秩父 一四・七(明治卅七年一月廿七日)
わが郷土と同緯度たる(寧ろ以南に位す)長野県、山梨県等に比して遥かに温和である。
次の表によってその温和な気候にあることが知れる。
〔以下 50頁〜52頁 略〕風
冬季、春季には往々毎秒の速度二十米を超ゆるもの数日に恒ることがある。
熊谷 最強冬二八・三米 明治三十一四月廿一日(1898)
これは吾土地のみならず上毛武蔵の一名物のポイン風である。俗に赤城颪(おろし)と云ひ空(カラ)風などといってゐる。これ水気を含まぬことを意味してゐる。夏期に至らば湿気を帯び速力も大いに減じ他府県のやうでない。熊谷の最強 四五・三米 明治三十三年九月廿八日(1900)である。
風速度平均三・五米
最多風向 北西湿度
熊谷の平均湿度は七五%で他府県に比べて幾分か乾燥の方である。ポイン風頃は五%(明治三十年二月十八日)(1897)の少量を呈してゐる。
各地の平均湿度を四季に分けて示さは次のやうである。
〔以下 53頁〜55頁 略〕降水
熊谷に於ける
平均年量 一三三七・四粍
其日数 一四三日
廿四時間絶対最多 一七四・二粍(明治四十年九月十八日)(1907)
あまり多い方ではない。多雨の地ではない。其の他
熊谷にて
七郷尋常高等小学校(板倉禎吉編)『郷土研究』(嵐山町立七郷小学校蔵)
日照時数 一九四五・九
百分率 四四・一
可照時数(平年四四三二・三 閏年四四四三・二)
雲量 六・一(十分率)
晴天日数 一六一・九
曇天日数 三一・五
降雨日数 一五七・八
降雪日数 一四
結霜日数 八〇
雷雨日数 一七・一
霰雹日数 一・八
暴風日数 六八・九
地震日数 八四・六
降水量三十粍以上ノ日数 一〇・一
〃 五十粍以上ノ日数 三・七
〃 百粍以上ノ日数 〇・六
晩霜 八十八夜前後(五月二日)明治四十三年の秋霜の最晩は五月十三日であった。