第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌
第二編 郷土研究
第三章 郷土の天文及び気界
第六節 雨の観察
雨についても吾々の生活に対して利害関係が甚だ密接であるといふ事は申す迄もない事であるが自動に観察せしむるには殊(こと)に注意せねばならぬのであります。
観察要項
1 米作に関係あること、附たり作物の生育上には米に限らす一定の雨量を要すること。
七郷尋常高等小学校(板倉禎吉編)『郷土研究』(嵐山町立七郷小学校蔵)
2 二百十日前後の暴風に伴ふ雨は国民の痛切に感じ居ることで梅雨期の雨は作物には欠くべからざるものなるが人生の健康には害あること。
3 雨量の適度、不適度とはどんな分量をいふか、学問上のを授けずして、農民の困ってゐる時、嬉しがって居る時を目撃さして、それに依って大体の感念を得させるのも必要だらうと思ふ。
4 一般の気象観測と共に雨量計などによりて観測せしむること。