第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動
母子愛育会(愛育班活動)
みんなで育てて下さい母子愛育班
住民課
一、なぜ必要なのでしょうか
どこの地域でも母と子の問題は日常生活の中で限りなく出てくるのではないでしょうか。そのようなさまざまな問題を自分達の力で解決しようと「愛育班」がつくられます。
二、きっかけとすすめ方
愛育班は全国で一二〇〇組織、約三〇万人が活動しています。その愛育班を組織した動機や過程はいろいろ異なることと思いますが、嵐山町では昭和三四年(1959)より発足いたしました。当時は死産や未熟児の出生割合が高く、離乳期における赤ちゃんの発育が低下するという状態にありましたので、この改善を目ざし、現在では九五〇世帯が参加し、活動しています。
三、しくみと役目
母と子の問題はこれでよいと言うことはありません。お互いがよく話し合い、十分に理解し合って活動計画を立て、協力しあえるような運営ができるようになっていることが必要です。
会員は地域の住民です。母と子供のための窓口とし、家族の健康や、町作りを目標とする。
班長は、会員から選ばれた婦人が班長です。愛育班の活動計画にそって、妊産婦や乳幼児のいる家庭を訪問し、相談相手となる。
会長、支部長は、まとめ役として支部単位の活動をすすめる。活動をつづけていくためには、知識の習得と向上ですので、班長の教育、対外的な折衝にあたる。
協力機関として、愛育班は自主的な組織ですが、専門的技術的な面は他から援助してもらう。協力機関として市町村・保健所・医師・保健婦・助産婦・公民館などがあります。
活動はおのようにおこないます。母性の場合を例に考えてみます。▽結婚適令期・新婚婦人のいる場合には、生活設計や家族計画、育児などに十分関心を持つよう。
▽妊娠の徴候が現れた時、妊娠と診断されたときは、すぐ班長に連絡するようにしておく。専門医の受診をたしかめて、妊娠の届出・母子手帳の交付を受けるようにすすめる。
▽妊娠中の注意がまもられるよう家族の協力を求める。健康診断や母親学級などに出席するようすすめる。
分娩が近づいたら、出産準備や心がまえができているかどうか、妊婦や家族の相談にのる。以上が母性の場合ですが、乳幼児に対する発育、病気の予防など受持世帯にあたたかい手をさしのべる。
▽乳幼児健康診査への協力
これら健康診断の目的や内容を把握して、対象者が気安く利用できるよう気をくばります。
▽家庭訪問
班長は専門家ではないので、訪問は現状を把握し、連絡方法を考えて母と子が幸せになれるようひとつの「パイプ」の役目をします。母子愛育班はこのような活動をしております。この活動に賛同下さる方の参加を望んでおります。
『嵐山町報道』229号 1973年(昭和48)6月25日
◇役場住民課
菅谷地区会長 長島信子
七郷地区会長 阿部ます