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第6巻【近世・近代・現代編】- 第7章:文芸・学術・スポーツ

第3節:スポーツ

町(村)民体育祭

熱戦敢闘の第三回村民體*1育大會終る

*1:體…体の旧字体。

連年の覇者菅谷チーム遂に敗る
平澤チーム優勝
優勝杯は鎌形チームへ

國歌「君が代」合唱裡に国旗掲揚
 澄み切つた靑空、紫紺の秩父連山、黄金なす畑々、秋の香り冷や冷やとする大氣、白きライン、万國旗のいろどり、緑の大アーチ、そして朝空をとゞろかす花火の音、すべてがこの日、山王台上に繰りひろげられる精鋭五百の菅谷健兒の敢闘に相應しきものばかりである。金色の朝日輝くなかを各地より続々と選手、應援團がのぼりを先頭に入場、午前八時四十分開会式が行はれた。鎌形、菅谷の各小学生、一般壯年、靑年、中学生の順に約千五百名が整然と集合。田幡副会長は「選手諸君はスポーマン・シツプを持たれ正々堂々最後まで闘ひ本大会を意義あらしめると共にスポーツ菅谷村の建設に努力していたゞきたい」と開会の辞が述べ、次いで全員國歌「君が代」合唱のうちに、日章旗はするすると掲揚された。前年度優勝の菅谷チームが福島区長から優勝旗を、小池選手から優勝杯をそれぞれ返還、高崎会長は激励の辞に於て「本大会はスポーツを通じて村民の融和をはかり、村を明るい樂しいよい村にして行かうといふ精神から出発したのであります。従つて選手諸君は最善を盡して優勝を爭うは当然でありますが村民お互いが樂しい一日を過ごすといふ意味もあるのであります。本大会が最後まで樂しく而も嚴正に終始されることをお願いする次第であります」と述べ小高審判長より審判上の注意があり、かくて午前九時轟然たる花火のとどろきと共に戦ひの幕は切つて落された。

  百米・砲丸投に大會新記録
 前年度百米に12秒5の記録を出した小池明君(菅谷)は本大会に12秒2の新記録を出した。
今年から四キロになつた砲丸投は壯年では前年度一位の星野金作君(鎌形)、靑年女子では同じく前年度一位の根岸和子嬢(菅谷)が今年もそれぞれ一位を獲得、靑年男子では内田賢治君(千手堂)が一位となつていづれも新記録を樹立した。
その他走高跳では瀬山芳治君(千手堂)。女子百米では富沢ふじ江嬢(菅谷)、男子四百米では内田誠治君(平沢)、女子二百米では小林三千代嬢(平沢)、女子走巾では大久保政子嬢(鎌形)、壯年リレーは平沢チーム、中学リレーでは菅谷チームがそれぞれ前年度に引き続いて覇権を獲得した。

  農學校應援團張切る
 この日農學校應援團は羽織袴に天狗の面をつけほうばの下駄を履いた音頭とりが太鼓の音と共に拍手の声援を送り一異景を添へた。

  川越商高生器械体操特別演技
 本大会に異彩を放つたのは川商高生の体操班による器械飛箱、組立などの各種演技であり、そのあざやかな演技に万場の観衆かたづを飲み驚嘆の声と拍手が起つた。尚この演技の中に中島源之君(菅谷)も特別出演放れわざを行つた。

  夕闇の中に閉會式
 この日の観衆は約一万、五百の精鋭選手は遺憾なく健闘午後五時半大会はとゞこほりなく終り、薄暗くなつた校庭で閉会式が行はれ、当日の役員会の決定により一位平沢に優勝旗を、二位鎌形に優勝杯を優勝選手に賞状及びメタルがそれぞれ授興された。


 全村民待望の第三回村民体育大会は秋、快晴の好天氣に惠まれた十月八日山王台綜合グランドに於て華々しく展開された。この日連年の覇者菅谷チームに対してこれ又連年栄冠を目指して無念の惜敗を続けてきた鎌形、平沢の両チームが一は八幡様に必勝を祈念し一は必勝不敗の旗押し立てゝ敢然挑戦茲(ここ)に三者白熱の優勝旗爭奪戦が繰りひる【ろ】げられた。午後一時大会半ばの成績は平沢四二・五 菅谷三八・五 鎌形三七 千手堂三五 といふ僅かな差であり戦ひはまさに伯仲、菅谷果して三連覇なるか、平沢依然トツプを続けるか、鎌形更に躍進して霊驗の新たかなるを発揮するか全く予断を許さざる熱戦が最後まで続けられ、あますところ得点種目は親子リレー、壯年リレーの二種目となつた。この時の三者得点数は平沢七二・五 鎌形七〇 菅谷六八・五 となり鎌形、菅谷はその地位を異にしたものゝ依然三者の差は僅少であり優勝旗の帰趨は一にかかつてこの二種目に存することになつた。然しながら鎌形チームは壯年リレー予選に於て既に失格してゐるためたとへ親子リレーに一位となり六点を獲得するも綜合点は七六点にしかならないが菅谷チームは若しこの二種目に一位を獲得せんか一擧十二点を加へ八〇・五 となり平沢チームが両種目に三位を得た場合は八点を加へて同点、一種目でも二位に入れば優勝確実となるわけである。親子リレー予選に於て菅谷チームは堂々一位を以て通過したが平沢チームには辛うじて三位に入るを得たのであり、壯年リレーに自信ある平沢チームも親子リレーには大いなる不安なきにしもあらず。問題は一にこの両種目に於ける菅谷チームの得点如何にかゝつてきた。されば湧き上る歓声に送られて出場した三軍の精鋭選手は栄冠獲得の使命双肩に担つてスタートラインに着いた。轟砲一発、六チーム菅谷 鎌形、平沢、川島、大藏千手堂の小学生選手は一せいにスタートした。先頭は鎌形次いで大藏、川島、菅谷、千手堂、平沢の順いづれも三メートルから四メートルの距離を置いて小学生から中学生にバトンが渡されるや菅谷チームは三位に平沢チームは五位に入り菅谷はそのホープ中島実君が力走又力走一擧に鎌形杉田勇君、大藏富岡多助君の二名を抜きトツプになつた。どよめく歓声と熱狂的拍手の中をバトンは菅谷チームの至宝吉野正浩君山岸邦枝嬢に受け継がれその差二十メートルも引き離して根岸寅次氏がテープを切つた。先頭との距離五十メートルも違つて五位を走つてゐた平沢チームも精鋭内田誠治君、中村好江嬢出づるに及んでその差を縮少して行き主將内田講氏の猛烈なラストヘビーによつて川島チームを抜き四位となつたかくして三者の得点数は 平沢七五・五 鎌形七五 菅谷七四・五 とその差は更に縮少されるに至つた。今や残された最後の一戦に平沢にして若しも菅谷に敗れんか三度び栄冠の好機を逸せねばならぬ菅谷に一位を取られ平沢二定ならば同点であり、その場合は一位の数の多いチームが優勝する規約により菅谷が優勝となる。されば是が非でもこの壯年リレーに菅谷に勝たねばならぬ。優勝の栄冠はかかつてこの最後の一戦にある。万場の観衆熱狂する中に壯年リレーは開始されたが結局平沢、大藏、農学校、千手堂、菅谷、遠山の順となり、平沢チームの優勝は茲に確定的となつた。尚菅谷チーム親子リレーに規約違反を行つたとの申出により審判長審査の結果これを認め菅谷チームも亦自から失格を宣言したため役員会もこれを了承。鎌形チームは二位、菅谷チームは三位となつた。大会に熱心な大藏は四位、出だしに快調を示した千手堂は五位、農学校六位、志賀七位、遠山八位、將軍沢九位、川島十位、根岸十一位であつた。


◇靑年男子の部
▼百米
①小池明(菅谷)12秒2(大会新記録)
②奥平栄洲(平沢)
③内田三千夫(千手堂)
④下林九郎(農学校)
⑤杉田康治(鎌形)
⑥大野照三(志賀)
▼四百米
①内田誠治(平沢)59秒
②淸水竹春(大藏)
③長島信雄(鎌形)
④瀬山実(千手堂)
⑤吉野栄一(遠山)
⑥番場秀夫(志賀)
▼千五百米
①杉田政一(鎌形)
②内田眞(平沢)
③中島幸夫(菅谷)
④森田昌夫(川島)
⑤高瀬光次(志賀)
⑥川端淸一(遠山)
⑦根岸直次(根岸)
▼五千米
①沢渡秀雄(將軍沢)
②富岡正美(大藏)
③多田文治(志賀)
④西沢善介(千手堂)
⑤沼淸治(菅谷)
⑥遠藤一夫(川島)
⑦白根重暉(農学校)
⑧長島伊勢松(鎌形)
⑨池田徳造(遠山)
⑩内田武雄(平沢)
▼走巾跳
①下林九郎(農学校)4メートル91
②富岡隆次(大藏)4メートル90
③中島時次(菅谷)4メートル66
③内田喜雄(平沢)4メートル66
⑤根岸茂夫(根岸)
⑥瀬山節夫(千手堂)
⑦杉田恒吉(鎌形)
⑧小菅山栄(遠山)
⑧田端義夫(川島)
⑨鯨井初男(將軍沢)
▼走高跳
①瀬山芳次(千手堂)1メートル45
②三枝良作(平沢)1メートル36
③下村九郎(農学校)1メートル36
④金井春二(大藏)1メートル34
⑤杉田善作(鎌形)
⑥神田  *2(川島)
⑦深沢長男(志賀)
⑧木村孝之(菅谷)
⑨吉野  *2(遠山)
⑩福島甲作(將軍沢)
⑪小沢長助(根岸)
▼砲丸投(四キロ)
①内田賢治(千手堂)11メートル92(大会新記録)
②奥平芳平(平沢)11メートル65
③内田稔(鎌形)11メートル42
④中島良平(菅谷)11メートル35
⑤杉田角太郎(遠山)11メートル10
⑥高瀬梅治(志賀)
⑦岡本七五三(將軍沢)
⑧金井正二(大藏)
⑨小沢孝一(根岸)
⑩薬師寺忠澄(農学校)
⑪田幡一一(川島)

◇靑年女子の部
▼二百米
①小林二【三】千代(平沢)43秒2
②大久保ミツ(鎌形)
③岩下守江(農学校)
④岡本ハツ(將軍沢)
⑤山下八重子(大藏)
⑥中島うめ子(菅谷)
▼百米
①富沢ふじ江(菅谷)15秒2
②内田千代子(千手堂)
③大久保トリ(鎌形)
④内田弘子(平沢)
⑤岩下守江(農学校)
⑥川端  *2(遠山)
▼走巾跳
①大久保政子(鎌形)3メートル62
②富岡マキ(大藏)3メートル51
③内田澄子(平沢)3メートル19
④根岸れつ子(菅谷)3メートル18
⑤瀬山ミチ(千手堂)
⑥高瀬きみ(志賀)
▼走高跳
①中町好江(平沢)1メートル19
②関根昌子(菅谷)1メートル15
③長島カツ(鎌形)1メートル9
④内田千代子(千手堂)
⑤新藤花子(大藏)
⑥    *2(根岸)
▼砲丸四キロ
①根岸和子(菅谷)7メートル30(大会新記録)
②富岡せつ(大藏)6メートル65
③深沢おさよ(志賀)6メートル35
④中村よし(鎌形)
⑤内田スミ子(平沢)
⑥西沢タミ子(千手堂)
⑦権田君江(川島)
⑧鯨井テル子(將軍沢)
⑨山下ハツ子(遠山)

◇靑年リレー(男女混合)
①菅谷(吉野正浩、細谷正夫、富沢ふじ枝、山岸邦枝)
②平沢(奥平栄洲、内田誠治、小林三千代、小林とし子)
③鎌形(長島信雄、山下長平、大久保トリ、杉田ヤス)
④千手堂(内田三千夫、瀬山節夫、内田ヨシヱ、内田トリ)
⑤大藏(淸水竹春、富岡一夫、山下八重子、富岡セツ)
⑥農學校   *2

◇壯年の部
▼封皮競走
一組 ①瀬山正男(千手堂)
   ②中島操(菅谷)
   ③秋山次郎(將軍沢)
   ④山下重平(遠山)
   ⑤長沢平七(大藏)
二組 ①内田講(平沢)
   ②長島義一(鎌形)
   ③遠藤庄吉(川島)
   ④筒井竹雄(農学校)
   ⑤栗原喜久次(志賀)
▼豆拾ひ競走
一組 ①中島茂八(菅谷)
   ②関口利重(千手堂)
   ③村田福次(大藏)
   ④金子利一(將軍沢)
   ⑤権田徳壽(川島)
   ⑥山下欽治(鎌形)
二組 ①小沢正作(根岸)
   ②吉田又一(遠山)
   ③内田和一(平沢)
   ④筒井竹雄(農学校)
   ⑤滝沢長重(志賀)
▼提灯競走
一組 ①金井元吉(大藏)
   ②小川滓三(川島)
   ③伊藤千春(農学校)
   ④大久保三郎(鎌形)
   ⑤吉野幸吉(大藏)
二組 ①久留田隆治(遠山)
   ②高橋金造(志賀)
   ③小沢多造(根岸)
   ④吉沢儀三(將軍沢)
   ⑤中島長太郎(菅谷)
   ⑥高橋照士(千手堂)
▼砲丸投
①星野金作(鎌形)11メートル97(大会新記録)
②瀬山友治(千手堂)11メートル52
③中島勝哉(菅谷)11メートル7
④奥平由平(平沢)10メートル82
⑤忍田正治(將軍沢)10メートル70
⑥筒井竹雄(農学校)
⑦金井小市(大藏)
⑧内田金作(志賀)
⑨島崎丑五郎(川島)
⑩高橋正男(遠山)
⑪大沢忠二郎(根岸)
▼壯年リレー(一着58秒0)
①平沢(星野友治、河合貫一、内田講、吉野幸吉)
②大藏(富岡丑造、成沢良作、山下正、新藤武治)
③農学校(薬師寺忠澄、反町幸作、石井忠直、坂之上忠)
④千手堂(内田明成、瀬山善吉、小川昌吾、関根平三)
⑤菅谷(高山千吉、木村一正、木村智明、田幡順一)
⑥遠山(山下忠治、山下元良、久留田久治、野原忠雄)

◇小學生リレー
①鎌形(長島明爾、松田好志子、杉田正平、簾藤文子、永島仁平、長島みつ、吉野一郎、内田富美子、杉田忠良、中島喜美、内田貞夫、長島規子)
②大藏(野村直久、富岡しま、金井淸、内山みね子、山下宝作、新藤正子、金井正夫、見目孝子、富岡光信、富岡みや、山下忠一、紫田千代)
③志賀(関口省三、大野有子、水野春良、高橋正子、小川隆三、深沢鉄よ、高橋良行、高橋良江、滝沢正三、辻沢守子、内田光夫、栗原三枝)
④千手堂(内田進、関根ふみ子、内田武治、関根サイ、関根武信、内田喜久、小川正男、関口一枝、瀬山利男、関根礼子、関根長次郎、関根幸子)
⑤遠山(川端豊作、吉野サト、高橋文平、山下はる江、吉野一正、野原功江、小菅山実、山下ふじ子、高橋功雄、池田世子、高橋義雄、野原ゆき子)
⑥川島(湯沢辰男、吉田君子、権田一郎、権田ます、森田けんじ、権田けい子、吉田利男、田幡文子、権田栄、権田さと子、権田  *2、権田しづ子)

◇中學生リレー(一着2分6秒2)
①菅谷(根岸惠治、根岸文子、井上一喜、小林初江、中島実、中島康江)
②鎌形(吉野淸、岩沢千代、杉田義正、長島文子、荒井俊一、松本たか枝)
③志賀(栗原博行、大野みつ子、根岸義信、武井ちよ子、辻沢英治、内田利子)
④大藏(小林一、小林ひろ子、山下與平、成沢とみ、富田多助、斎藤豊子)
⑤平沢(奥山四郎、村田いね、奥平時次、内田サダ子、村田勇、内田千鶴)

◇親子リレー
①菅谷(石川春由、根岸よし子、根岸俊男、小峯幸子、根岸信男、木村芳枝、中島実、中島康江、吉野正浩、山岸邦枝、根岸寅次)
②鎌形(杉田正平、簾藤史子、杉田嶽雄、内田富美子、杉田忠良、長崎規子、杉田勇、杉田松江、杉田恒吉、星野操子、杉田峯吉)
③大藏(金井淸、内山みね子、金井正夫、見目孝子、山下忠一、紫田千代、富岡多助、斎藤豊子、淸水竹春、山下八重子、金井孝作)
④平沢(原田義達、浅沼マサミ、内田昌、原田敏子、諸原建司、山田しづ、小林進、内田サダ子、内田誠治、中村好江、内田講)
⑤川島(権田一郎、権田まち、吉田利男、田幡文子、権田しず、権田文男、権田廣江、森田 *2夫、島崎ケイ、中村巳平)
⑥千手堂(内田武治、関根サイ、小川正男、関口一枝、関根長太郎、関根幸子、斎藤雅子、内田充子、内田健治、内田千代子、小川昌吾)

*2:原文ママ、空白であった。

得点表|スキャン画像

『菅谷村報道』 1950年(昭和25)10月20日

『菅谷村報道』の創刊は昭和25年(1950)4月20日であるため、この第三回結果が広報初掲載の村民体育大会記事である。

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