第6巻【近世・近代・現代編】- 第7章：文芸・学術・スポーツ
第1節：俳句・短歌
武蔵俳諧百人集
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- 武蔵俳諧百人集（101～128）
武蔵俳諧百人集（101～128）
101
号 梅令舎
比企郡八和田村*1中爪 細井武次
鴬の老も後るゝ木曽路かな 可祝
*1：八和田村(やわたむら)は、現・小川町。
102
号 春雪庵
比企郡八和田村中爪 清水幾三郎
忠孝の道は残してつもる雪 楽山
103
号 不二の家
比企郡八和田村中爪 馬場宇平
末広き春や机の置はしめ 慶雲
104
号 春令舎
比企郡八和田村中爪 大塚和十郎
半分は人の汗なり今年米 可暁
105
号 月令舎
比企郡八和田村中爪 松本治助
面白く棹さし呉よ月見船 可昇
106
号 喜楽斎
比企郡七郷村*2杉山 金子喜三郎
香に曇る月や梅さへ疎き影 梅月
*2：七郷村(ななさとむら)は、現・嵐山町。
107
号 自修庵
比企郡明覚*3村番匠 正木利三
更るほと趣うかふつき見かな 誠史
*3：明覚村は、現・ときがわ町。
108
号 蓮首庵
入間郡毛呂 田島竹洲
早起のさちやひと声ほとゝきす 竹洲
*4：毛呂(村)は、現・毛呂山町。
109
号 文■舎
比企郡小川下里 田端賢次郎
暮残る夜は卯の花に明にけり 由山
110
大里郡御正村*5樋春 馬場氏
長閑さや鶴の飼をはむはしの音 春英
*5：大里郡御正村(みしょうむら)は、現・熊谷市。
111
号 秋木寮
比企郡宮前村月輪 長谷部愛治
萌出るや名のある草もない草も 雨牛
*6：宮前村(みやまえむら)は、現・滑川町。
112
比企郡宮前村中尾 宮﨑氏
雪のみねラムネに徐々と崩れけり 北洲*7
*7：北洲は、菅谷小学校長を務めた宮崎貞吉。
113
号 松島庵
比企郡八和田村*8中爪 大塚金平
陣営に月凛然と見る夜哉 夏海
*8：八和田村(やわたむら)は、現・小川町。
114
号
比企郡明覚村*9別所 山口梅吉
約束を守るや雪の中なから 入梅
*9：明覚村は、現・ときがわ町。
115
号
比企郡八和田村中爪 松本福松
経済を守れや蚕の全芽育 開舟
116
号 長美庵
比企郡玉川村*10小倉 長島源風
夜を去て河鹿聞つる住居哉 源風
*10：玉川村(たまがわむら)は、現・ときがわ町。
117
号 憧星庵
比企郡小川町角山 根岸文三
我も又ふみのかりたしはつ時雨 菫怨
118
号 月光庵
比企郡八和田村*11中爪 細井万次郎
一八や由緒も古き御墨符 可風
*11：八和田村(やわたむら)は、現・小川町。
119
比企郡八和田村中爪 大塚保
御園生や幾久しくも薫るきく 琴風
120
号 光運居
比企郡菅谷村*12将軍沢 小久保倉吉
是程に髯のたくまし鰤老魚 春慶
*12：菅谷村(すがやむら)は、現・嵐山町。
121
比企郡福田村*13和泉 市川鍋次郎
絞れ人汗は黄金の集産地 可励
*13：福田村(ふくだむら)は、現・滑川町。
122
松上庵
比企郡菅谷村菅谷 田島吉五郎
もふ月になるか端山の薄あかり 吉月
123
光月堂
比企郡菅谷村字大蔵 金井卯三次
画筆かむ内も伸る歟糸柳 夜遊
124
文令舎の実母*14 七十六才 との子
世の中ハ運まかせなりたから引き との子
*14：文令者の実母は比企郡八和田村【現・小川町】中爪・松本との子。
125
号 伏亀軒
比企郡菅谷村志賀 高崎秀三
朝日より夕日栄する紅葉哉 竹窓
126
号 夢の家
比企郡八和田村*15 大塚喜惣治
武蔵野やむかしなからの月の空 蝶遊
*15：八和田村(やわたむら)は、現・小川町。
127
号 文令舎
比企郡八和田村中爪 松本栄次郎
むさし野のひろさ覚ゆる日永哉 可及
128
舜の徳にしかねと真似て鍬はしめ 可克
埼玉県農会壱等比企郡農会特等賞 松本誠一
大正五年度稲作反当玄米五石二斗収穫
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