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第6巻【近世・近代・現代編】- 第7章:文芸・学術・スポーツ

第1節:俳句・短歌

俳句

報道2号から「文藝欄」が始まりました。このコーナーでは、詩歌、俳句、短歌、随筆等の投稿を住民から募集していました。

文藝

俳句手帖から新詠を拾つて

             大野比呂志生
  長瀞にて詠む
雪洞(ボンボリ)や万朶(マンダ)の花に風情添え
松籟(ライ)のどつと起りて落花急ふ
青川綿(アオミドロ)鳴かぬ蛙がふけうかぶ
春宵を寝て読むくせの何時かあり
飛鳥(つばめ)來る日なり郷愁ひたに湧(ワ)く
野火跡のいさゝか黒くしどみ咲く
焼糠(ヌカ)の煙り戸毎に桑(クハ)若葉
春蝉の鳴きたゆたひる山颪
麦笛の鳴(ナ)らねば捨てゝ亦ねだる
畑も打ち句も詠み郷に住み古りぬ

『菅谷村報道』「文藝」2号 1950年(昭和25)5月20日
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