第6巻【近世・近代・現代編】- 第6章:くらし
大塚基氏編『ある夏休みのことです』
編集後記
三十余年前の中学一年一組の女子(紛失したのか全員ではないようです)の夏休みの宿題としての作文集がみつかりました。
大塚基氏編『ある夏休みのことです』 1994年(平成6)12月17日
当時、この作文を書いた十三名の者は、まさか三十余年を越えて、作文集として発行されるとは思いもよらなかったことと思います。
しかし、その作文の中から家族のしっかりとした結びつきと、仕事の大事さを学びながら、自然と調和した子供達の生き生きとした様子が読み取れ、心を打つものが感じられます。
また、この作文の中にある生活そのものが、長い間かかって築き上げた日本の文化そのものであったような気がします。
そこで今、時代が違うと言う言葉で捨てられようとする、ちょっと前の生活の中で、子供達が何を考えながら過ごしていたのかを振り返り、果たして何が幸せなのかを考える材料にできればと思いこの作文集をまとめてみました。
そして、発展という言葉の裏側で寂しく消えようとする、農村の心の香りを、一人でも多くの人に嗅いでいただき、かみしめていただけたら幸せに思います。
1994年12月17日
嵐山町柔道会七郷柔道場創設20周年を記念して
大塚基氏