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第6巻【近世・近代・現代編】- 第4章:教育・学校

第4節:社会教育

興農研修所

県立興農研修所 ——近く開所式——

 わが国における特異の存在として、全国的に有名であつた日本農士学校は、終戦により解散団体に指定され、その財産は法務府の所管に移されたが、その後財団法人日本農学校が、更に之を買受けて、本年(1952)三月までその経営を続けて來た。所が昨年末にこれを県が買収して県立の興農研修所を設置するという話が伝つた。新聞はこれを経営難に陥つたからと報道した。そして本年一月十二日には埼玉県立興農研修所設置條例が公布されたが更に三月十八日には研修生規程が定められ、又所長、所員等職員の陣容も整つて学生の募集に着手し、愈々來たる四月二十一日開所式を挙行することになつた。
研修所の目的は、東洋精神と民主主義精神とに立脚する農道を習得させると共に農業技術を研鑽し新時代における農村の指導及び将來海外進出に適する人物を育成することにあるという。
そこで、旧來の学校教育や古い型の塾教育の殻を破つて、新時代に即した指導方法を工夫し、確立すると共に、その対外活動も地元及び生徒の推薦町村や県内外の篤農家との連絡を密にすることは勿論、青年団婦人会農業団体などと提携して、講習会、研究会、品評会等を常時開催して社会的貢献を囲る予定であるという。

『菅谷村報道』21号 1952年(昭和27)5月5日
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