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第6巻【近世・近代・現代編】- 第2章:政治・行政

第4節:平成

嵐山町

第1回嵐山町女性議会開催

女性の視点をまちづくりに

第1回女性議会議員集合写真

 女性の社会進出が高まってきています。しかし、組織や政策の方針、意思決定の場での女性参画状況は依然、少ないのが現状です。そんな中、嵐山町では2月9日、嵐山町女性議会が役場議長で開催されました。
 町政についての理解・関心を深め、女性の視点をまちづくりに反映し、女性社会参画を推進することが開催の目的です。嵐山町ではじめての試みである女性議会。この議会は、町内の一般の女性を一日議員に任命し、議場で議会一般質問を行うもの。一般公募で申し込まれた方々、町内の各種団体からの推薦者等から21名の女性議員が決定されました。
 この議会によって、女性が政策意思決定の場で、もっと活躍していくきっかけとなれば、と考えています。今後、女性議会は毎年開催する予定です。

第1回嵐山町女性議会議員(議席番号順)

安藤直惠  議員 (古里)
清水紀子  議員 (千手堂)
寺山サキ子 議員 (菅谷)
大塚清子  議員 (勝田)
内田きよ子 議員 (菅谷)
@守和子  議員 (千手堂)
宮地淳子  議員 (広野)
杉田峰子  議員 (遠山)
新井芙美子 議員 (菅谷)
野口惠美子 議員 (鎌形)
遠藤真理子 議員 (根岸)
山田こう  議員 (平沢)
内田千賀子 議員 (広野)
西澤悦子  議員 (志賀)
関根マサ  議員 (志賀)
安藤正子  議員 (杉山)
西原和世  議員 (志賀)
秋元ひろみ 議員 (川島)
藤原禮子  議員 (菅谷)
岩澤邦江  議員 (鎌形)
関口園江  議員 (越畑)

女性議会の様子|写真1

 女性議会は、実際の議会と同じ形式で行われ、女性議員の中から選出された議長の開会宣言により開会。町長の招集あいさつに続き、議員からの一般質問、町からの答弁が行われました。
 生活に根ざした質問も少なくなく、中には、本職の議員に勝るとも劣らない質問を行う光景も見られました。又、町の答弁には熱心に耳を傾け、メモを取る姿が見受けられました。
 ここで、その一般質問の内容をご紹介します。

女性議会の様子|写真2

女性議会の様子|写真3

女性議会の様子|写真4

女性議会の様子|写真5

女性議会一般質問

●嵐山幼稚園について

 町立幼稚園の倍率は約2倍で抽選。全員の入園はできないのですか。又、抽選で1子目がはずれた場合、2子目の優先入園はできないのでしょうか。
 教育長 私立幼稚園との共存、財政面等を考慮し、現在では定員制が最良の方法であることをご理解いただきたい。全部の家庭が2人兄弟ではないので、抽選という形を取っています。

●福祉バスについて

 嵐山病院への通院に利用している人は、停留所から病院までが遠いので苦労しています。コースや停留所の位置改善を。又、バスの便が少なく不便。利用者が少額負担をすることで、増便できないでしょうか。
 福祉課長 増便方法は、コース変更の方法と、バス増車の方法が考えられます。今後、町民の意見を聞きながら、十分検討します。
 バス停の変更は、安全が確認される場所、又は循環バスの運行目的に沿えば変更可能です。
 バス料金を徴収することについては、今後、十分検討します。

●市街化区域の活性化対策

 町の顔である駅前商店街がさみしくなっています。市街化区域の活性化に町として、どのような対策をとっていますか。
 町長 平成13年度に、商店街活性化のための検討機関を商工会、町、消費者等により組織し、検討していきます。

●スポーツ振興策について

 埼玉県のスポーツ振興策プランの1つ「総合型地域スポーツクラブ」の現状はどうなっていますか。町の今後の方針は?
 生涯学習課長 「総合型地域スポーツクラブ」とは、地域住民が主体的に運営するスポーツクラブで、複数の種目が用意され、地域の誰もが、年齢、興味・関心、技術・技能レベルなどに応じ参加できるスポーツクラブです。現在、県内では所沢市と志木市で実施していますが、平成13年度には川越市でも設置する予定です。
 町としても「総合型地域スポーツクラブ」の育成に向けて、取り組んでいく考えです。

●下水道整備事業について

 住宅が点在している地区では経費がかかりすぎませんか。地域により合併浄化槽を生かせば経費負担も少ないのでは?
 環境課長 町の公共下水道普及率は44.5%です。その他の地区では、し尿は単独処理浄化槽等により、処理を行い放流されておりますが、雑排水(炊事場やお風呂の水)では57%の家庭が未処理のまま自然の中に放流しているのではないかと考えます。今後、地域に見合った生活廃水処理の実施を検討していきます。

●文化会館の建設計画は

 生活の中に「ゆとり」がなくなり凶悪事件が多発する現在、「文化事業」が重要となってきています。文化会館(多目的ホール)の建設計画はありますか。
 町長 役場庁舎敷地内に、多目的なホールとして使える町民会館を建設する考えではありますが、財源が必要ですから、すぐにできるとは、申し上げられません。

●小学生の下校について

 下校時、国道254号線を横断する際、危険な行動をとっている小学生が多数います。
 教育長 安全教育をはじめとし交通安全教室、通学班の指導等をとおして学年に応じて指導しています。今後も、自分の命は自分で守るということを基本に指導していきます。ぜひ、保護者の皆様方にもご協力いただき、その場でご指導、又は学校に連絡していただきたいと思います。

●バーベキュー場等の迷惑駐車・ごみ対策

 歴史の里公園(鎌形)の川沿い土手等の利用者による迷惑駐車やごみへの対応はどうなっていますか。嵐山渓谷バーベキュー場周辺でも、ゴールデンウィーク中等は多数の路上駐車の車両に迷惑します。
 産業振興課長 歴史の里公園あるいは、その他の観光施設の管理につきましては、地元にご迷惑がかからないよう今後、十分配慮をして対策を講じていきたいと考えております。

●障害児の普通学級就学受け入れ状況について

 現在、嵐山町における障害児の普通学級就学への受け入れ状況は、どうなっていますか。
 もし、車椅子使用の場合、受け入れ体制はできていますか。
 教育長 就学指導の意義は、そのための情報提供、あるいは相談や支援、助言を行うことが大切だと考えています。現在、障害児の受け入れは、就学指導委員会と教育相談室で対応しています。
 車椅子の使用については、条件が整っていません。今後、必要に応じて可能な範囲内で対応していきます。

●成人式について

 全国的に成人式が荒れています。県内市町村の成人式開催形式はどうなっていますか。町では、新成人に対して成人式の意見を聞いていますか。式に対する今後の町の対応は?
 教育長 県下の状況は、式典が85市町村、アトラクションが45、恩師を囲む会(含む同窓会)が20、記念植樹実施が4、記念撮影実施が47、会食が21、その他22です(複数回答あり)。比企郡では、式典9、アトラクション4、記念撮影8、会食6、その他1(複数回答あり)。多くは行政主導型で、実行委員制は一部です。
 新成人の意見は今まで聞いたことはありませんが、今後参考にしていきます。

●男女共同参画社会基本法について

 この法律に対する町の考え方をお聞かせください。また、男女共同参画社会を目指す上で、町の計画はどうなっていますか。
 企画課長 男女共同参画社会の実現は、政府も新世紀の最重要課題として位置づけているところです。町では、女性行動計画又、男女共生推進会議の報告書に基づき、できることからやっていきます。

●平沢川島線について

 平沢川島線の街路樹が枯れています。また、同線におけるビオトープを取り入れた水路「せせらぎ緑道」にごみが目立ちます。管理はどうなっていますか。水路に面している会社や商店などの協力を得て、美化管理をすることはできますか。
 都市計画課長 春先の芽吹き具合を見ながら、植え替える予定です。水路のごみは、沿線の一部企業は自主的に清掃していただいていますが、沿線全部の企業に自主的に清掃等をしていただくことは難しいため、今年の4月から町で委託をし、清掃の実施をする予定です。将来的には、沿線の方々により、自分たちのものという考えで、清掃ができるような形になればと思っています。

●高齢者福祉について

問1 災害時の、ひとり暮らしのお年寄りの緊急対策は。
問2 自治会館や集会所を利用して、三世代交流(児童、成人、老人)の場を設けていただきたい。そこに保健婦又は看護婦の派遣があれば良いのでは?
問3 老人の健康づくりのため、粕川土手を整備し、ジョギングコースにしてはどうでしょうか。
答1 福祉課長 現在、高齢者のみの世帯やひとり暮らし世帯の台帳整備を民生委員と在宅介護支援センターの職員ではじめています。
 町内の社会福祉施設からも、災害時の受け入れの了解を得ており、今後は特に、消防署や警察、災害ボランティアの方々と連携をし、災害時の安否確認と搬送の方法をシステム化できるよう現在、研究中です。
答2 集会所と学童保育を開放し実施したと思っています。また、鎌形、七郷、志賀小学校で世代間交流をやっています。
 町の保健婦、町内の在宅介護支援センターの看護婦等がいますので、希望により対応が可能と思われます。
答3 ジョギングコース地図の「嵐歩マップ」を作成しています。1〜7kmの計20コースがあり、粕川土手も2コースが含まれています。県の管理ですので、管理道路の安全対策を十分とっていただきながら、ジョギングコースにできるよう努力します。

●行事について

問1 町の行事が重なり、参加者や協力者が困ることがあります。日程は年度始めに決定を。
問2 行事が増える一方、嵐山まつりの協力店の減少が心配です。町としてどのように考えていますか。
答1 助役 町の主な恒例行事の日程については、できるだけ早く公表していきたいと思っています。
答2 嵐山まつり実行委員会でまつりをよくするため検討を重ねて開催しているのが実状です。みなさんのお知恵、創意工夫を借りながら、いっそう充実していくよう、協力をお願いします。

●小学校家庭科室、什器・設備の充実について

 小学校家庭科室の老朽化、什器および設備の不備が目立ちます。現代の食生活に危機を感じています。より良い食教育のために、家庭科室の改築、什器・設備の充実を望みます。
 教育長 子どもたちの学習に必要な施設、設備、備品等は、遺漏のないように整えていきたいと考えています。指摘のあった菅谷小学校家庭科室も管理棟の改修に併せて整備していこうと考えています。鎌形小学校は、旧日赤社屋と調和のとれる特別教室棟の建築をして、今のような問題点を解消していきます。
 小学校は災害緊急時の避難場所に指定されており、その点でも家庭科室を災害時の食事供給の場とみなすということを含めて、改修をお考えですか。
 現在、考えておりませんが、今後は検討していきます。

●学校給食について

 [材料について]
①チルド・冷凍ものが多い理由は。
②生の果物が出る回数が少ない理由は。
③地元の野菜を取り入れない理由は。
(ほか4件)
[給食調理場について]
①築年数は。
②建て替えの予定は。
③建て替えの際、自校式にならないか。
(ほか4件)
 学務課長職務代理
[材料について]
①安定した材料の計画が図られることと給食費の単価を抑えることができるため。
②平成8年のO(オー)-157問題により県からの指導で、生の野菜、果物はあまり出していません。
③安定した質、量、供給が約束されないため。
(ほか4件)
[給食調理場について]
①第一調理場は築20年、第二調理場は築21年です。
②建て替えについては、十分検討していきたいと考えます。
③この考えはありません。
(ほか4件)

●IT講習会について

 IT講習である町民パソコン教室については、子どもからお年寄りを対象とした、分かりやすい教室を望みます。IT社会に向けての教育、学習の場をどのような形で進めていきますか。
 企画課長 図書館の多目的ホールで実施する予定です。平成12・13年度の講習は、国から示された20歳以上の方を対象に実施します。平成14年度以降、子どもからお年寄りまで、いつでも使えるよう、運営の仕方を研究します。

●遊休農地の対策は

 嵐山渓谷周辺及びふるさと歩道周辺に遊休農地が多く見られます。緑の保全と遊休農地の有効活用のため
①観光客や消費者との交流
②果樹のオーナー制度
③市民農園への開放
④学校のゆとり学習への活用
⑤収穫された生産物の加工販売
 等を提案します。こういったことへの町の対策は?
 産業振興課長 遊休農地の対策は嵐山町の農業における大事な課題の1つです。提案については、前向きに取り組んでいきます。
 特に、農産物加工施設について強い要望が出されていますので平成13年度に施設を整備する方向で、検討しています。このほかにも桑園跡地(傾斜地)の対策として、果樹を植えたり、従来の広葉樹に戻すなどの対策も新年度から実施していきます。

●子育て支援について

 最近、児童の虐待が増加しています。こういったものを含み、町の子育て支援の状況はどうなっていますか。
 福祉課長 町では、
①子育てに関する意識の高揚
②子育てのための生活環境の整備
③多様な保育サービスの充実
④母子保健事業の充実
⑤ゆとりある教育と子どもの健全育成
これら5項目を掲げ、町、家庭、地域、学校、企業など一体となり子育てを社会全体で支えていくことを目指しています。虐待に対しては、セイフティネットワーク網の構築を考えています。
 経済的支援として、私立幼稚園の費用の助成、保育園の保育料の軽減、医療費では、この4月から、就学前までのお子さんについて保護者負担分を全額助成。その他の支援として、保育園の延長保育の拡大、一時保育実施に向け現在予算をお願いしているところです。
 今後、町としても総合的な子育て支援を実施していきます。

女性議会の様子|写真6

女性議会の様子|写真7

女性議会の様子|写真8

女性議会の様子|写真9

嵐山町広報『嵐山』93号 2001年(平成13)3月1日
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