第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌
比企郡寺院明細帳
埼玉懸管下武蔵国比企郡遠山村字宮前
群馬縣下上野国(こうずけのくに)緑野郡(みどのぐん)浄法寺村永源寺*1末
曹洞宗通幻派*2遠山寺(えんざんじ)
昭和十七年 月 日 規則ヲ認可ス
*1:現・群馬県藤岡市浄法寺甲1873にある永源寺。『新編武蔵風土記稿』・『武蔵国郡村誌』の「上野国緑野郡御嶽村永源寺」は誤りで、「上野国緑野郡浄法寺村(じょうほうじむら)永源寺」が正しい。
*2:曹洞宗通幻派(そうとうしゅうつうげんは)…曹洞宗は鎌倉時代に道元によって開かれた仏教の宗派。通幻派は南北朝時代に活躍した通幻寂霊の流れを汲んだ人びと。通幻禅師は越前、能登、丹波で活躍し、通幻派は曹洞宗のなかで大きな派になり、通幻の建てた福井県の龍泉寺は通幻派の本山になっている。一、本尊(ほんぞん) 釋迦如来(しゃかにょらい)
一、由緒
創立永正(えいしょう)二年(1505)北條家*1ノ籏下*2遠山右エ門太夫藤原光景之開基ニシテ慶安(けいあん)二年(1649)徳川政府ヨリ御朱印高拾石下賜リ代々是(これ)ヲ領ス明治元年(1868)御上知(おんあげち)被仰付候一、本堂 間口拾間三尺
奥行七間三尺一、庫裏*3 間口八間 奥行四間三尺
土蔵 間口参間半 奥行弐間一、境内 九百九拾九坪 官有地第四種
昭和廿三年四月七日
一〇一五坪九七*1:小田原北条氏。
*2:籏下(きか)…部下。
*3:庫裏(くり)…住職やその家族などの住む所。一、境外所有地
山林(さんりん) 六町(ちょう)参畝(さんせ)五歩(ぶ) 遠山村字寺山
地價(ちか) 金六拾円三拾壱銭六厘
墓地 壱畝拾貮歩 同村字同所一、管轄廰(かんかつちょう)迄 拾貮里廿町
以上山林 貮反五畝四歩 大字遠山寺山
地價 金弐円五拾壱銭参厘
山林 貮畝六歩 大字遠山字嘉原
地價 金弐拾弐銭
山林 三反七畝弐歩 同上 二百七十八番ノ一
地價 金参円七拾四銭
山林 壱反四畝弐拾壱歩 大字遠山字嘉原二七九番
地價 金壱円四拾七銭大字 字 地番 地目 段別 地価
「昭和38年度文書 埼玉県学事課 比企郡寺院明細帳(一)」
町反畝 歩 円
遠山 坂下 六 田 九一二 二四、三七〇
同 宮前 一九一 同 二二三 七、一七〇
同 同 一九五 同 一二二〇 三二、八五〇
同 同 二一三 同 一五二八 四一、三二〇
同 同 二一五 同 五二八 一三、八六〇
同 坂下 九ノロ 同 一五 一、三〇〇
同 宮前 一八〇 畑 三一三 四、七九〇
同 同 一八一 同 二八一三 三九、六三〇
同 同 一九六ノ一 同 一四一七 九、二三〇
同 同 二一四 同 一八〇八 一五、〇四〇
同 同 二〇八 同 七〇七 八、七〇〇
同 同 二二一 同 七〇七 一〇、〇八〇
同 同 一七六 同 一二二五 二二、七七〇
同 同 一七七 同 一〇二八 一七、三二〇
同 坂下 九ノイ 同 二〇九 一、九〇〇
同 山ノ根 五七 同 三〇八 四、五五〇
同 木ノ下 二四三ノ一 同 三一四 四、八三〇
同 嘉原 二七四 山林 一一九一〇 一一、九三〇
同 同 二七八ノ一 同 三七一二 三、七四〇
同 宮前 二〇九 原野 一一七 一六〇
同 嘉原 二七八ノ二 宅地 九五坪九五 一九、一九〇
同 寺山 二六七ノ一 山林 五六九二九 五〇、〇一〇
同 同 二六七ノ五 同 四一五 四四〇
同 同 二六七ノ三 同 二〇一九 一六、九八〇
同 同 二六七ノ四 同 八〇二 六、六三〇