第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌
第二編 人文界
第二章 教化
第一節 神社及什寳祭典
神社 所在地 祭神 什宝*1 祭典
菅谷神社 大字菅谷山王回 大山咋命 四月十五日
八宮神社 大字志賀清宮 四月三日
鬼鎮神社 仝 天沼 三月十五日
白山社 大字平沢 入 四月三日
八幡大神社 大字遠山蛇跡 誉田別尊 四月三日
春日神社 大字千手堂明神前 天津児屋根命 四月十五日
八幡神社 大字鎌形清水 九月十五日
日枝神社 大字大蔵宮ノ裡
吾妻神社 大字根岸前山 日本武尊 四月五日
日吉神社 大字将軍沢東方 大山咋命 四月十日*1:什物(じゅうもつ)…宝物。
第二節 寺院、什寳、法會
寺院 所在地 宗派 本尊 什寳 法會
東昌寺 大字菅谷上 曹洞 正観音 八月十五日施餓鬼
寳城寺 大字志賀上ノ山 仝上 仝上
平澤寺 大字平沢入 天台 阿弥陀如来 経筒
遠山寺 大字遠山宮前 曹洞 釈迦牟尼佛 道元禅師行状記
千手院 大字千手堂谷 曹洞 千手観音 八月十五日施餓鬼
宗信寺 大字鎌形番場 日蓮宗 三寳
班溪寺 仝 坂下 曹洞 釈迦牟尼佛
光照寺 大字千手堂原 日蓮宗 三寳 八月十五日施餓鬼
向徳寺 大字大蔵掘ノ内 時宗 阿弥陀佛
安養寺 仝 坂ノ上 天台宗 仝上
明光寺 大字将軍沢八反田 仝上 薬師如来
第三節 小學校ノ沿革
菅谷村ハ従前、菅谷、大蔵、鎌形ノ三校ヲ設ケテ教育セシガ、明治十九年(1886)五月合併シテ大字千手堂ニ城山尋常小學校ヲ開設セリ
後、明治二十五年(1892)七月、大字鎌形ヲ裂キ其処ニ鎌形尋常小学校ヲ設立シ、城山學校ヲ大字菅谷ニ移轉セリ。明治三十三年(190)城山尋常小學校ニ高等科ヲ併置セリ。明治四十一年(1908)五月、城山校ヲ菅谷第一ト、鎌形校ヲ菅谷第二ト改称セリ
第四節 實業補習学校ノ沿革
イ、城山實業補習学校
期間 教科目 生徒数 職員数 経費 創立年月日
男 自一月 修身、國語、算術 五五 六 140円 明治三十六年
至三月 農業 50銭 十二月十一日
女 自一月 修身、國語、算術 五五 六
至四月 農業、裁縫、唱歌 (明治四十三年度)ロ、鎌形實業補習學校
期間 教科目 生徒数 職員数 経費 創立年月日
男 十月 修身、國語、算術 四〇 二 73円 明治丗九年
一月、二月 農業 一月十二日
女 自一月 修身、國語、算術 四〇 二
至四月 農業、裁縫 四〇 二 (明治四十四年度)
第五節 教育會、同窓會、青年會等ノ沿革
イ、城山學校同窓會
明治三十六年(1903)二月十二日ノ創立ニシテ、會員相互ノ交情ヲ温メ、智識ヲ交換シ、■風ノ善化ヲ目的トシ、菅谷第一尋常小学校卆業生ヲ以テ組織ス。現在會員三百十九名アリ。毎年一回一月ニ於テ総會ヲ開キ、名士ノ講演ヲ聞キ、又會員ノ製作ニ係ハル穀物、野菜、器具等ノ展覧會ヲ開催ス。臨時必要ニ応シ他府縣實業視察ヲナス
ロ、城山學校女子同窓會
明治三十八年(1905)三月八日ノ創立ニシテ、會員相互ノ交情ヲ温メ、智識ヲ交換シ、風氣ノ矯正ヲ目的トシ、菅谷第一尋常高等小學校卆業生女子ヲ以テ組織シ、現在會員百四十八名アリ。毎年一回総會ヲ開キ、名士ノ講演會ヲ開ク
ハ、川島青年會
明治三十二年(1899)貯蓄會ヲ起シ、仝三十九年(1906)労働組ヲ組織シタリシガ、仝四十一年(1908)ニ至リ合併シ、仝四十二年(1909)十月七日組織ヲ改メ、川島青年會ト改称ス。大字志賀元廣野鬼鎮神社々務所内ニ事務所ヲ置ク。會員四十二人アリ。基本金五円ヲ有ス。夜学會、図書回覧、平民文学ノ研究、風氣ノ改善■共同労役、勤倹貯蓄(郵便貯金壱百円余此加入者二十三名)兵士ノ送迎慰問、道路橋梁ノ修築等ヲナシツヽアリ
ニ、遠山青年會
明治三十八年(1905)雑誌講讀會ヲ起シ、仝年縄綯會(なわないかい)ヲ組織シタリシガ、仝四十三年(1910)五月合併シテ遠山青年會ト改称ス。大字遠山小菅山福治宅ニ事務所ヲ置ク。雑誌回覧部ト縄綯部トノ二ツニ分レ、回覧部ニハ四十円、縄綯部ニハ三十円ノ基本金アリ。雑誌回覧、共同縄綯、山林開墾、懇談會等ヲナス。會員二十一名アリ
ホ、菅谷青年會
明治四十四年(1911)四月ノ創立ニシテ、事務所ヲ大字菅谷東昌寺ニ置キ、會員二十三人アリ。通俗文庫ヲ設置シ、會員智識ノ向上発展ヲ計ル。全部百二十冊アリ。漸次増■セントス。名士ノ講演會、共同貯金ヲナス
ヘ、鎌形教育會
明治四十二年(1909)十二月五日ノ創立ニシテ本村第二学区(大字鎌形)内教育ノ改善普及ヲ計ルヲ以テ目的トシ、大字鎌形内ニ居住スル有志者ヲ以テ普通會員トシ、現在會員百二十四名アリ。毎年一回以上総會ヲ開キ、諸般ノ報告、名士ノ講演等ヲ開キ、併セテ會員相互ノ意見ヲ交換スルコトヲ勉ム。而シテ本會ノ事業トシテ現ニ施設経営スルモノ次ノ如クニシテ、孰レモ其緒ニ就キ、着々好果ヲ奏セシコトヲ期スルヲ以テ、明治四十四年(1911)度ニ於テ学区費中ヨリ本會経常費ニ補助金ヲ交付セラルヽコトナレリ
一、就学児童ノ保護奨励
貧窮者ニシテ就学ニ困難スルモノ児童ニ、教科書又ハ学用品ノ全部、若クハ一部ヲ支給シテ、其就学ヲ保護奨励スルニアリ
二、青年夜学會
農閑適当ノ季節ヲ利用シテ夜学會ヲ開キ、青年又ハ壮丁ノ為メニ補習教育ヲナス
三、青年文庫ノ設置
青年ノ為メニ適切ナル図書雑誌等ヲ設備シ、閲讀又ハ借覧ヲ許シ、其智徳ノ向上ニ資セントス。現ニ設備セシ図書五百余冊アリ。漸次擴張ヲ期ス
四、通俗談話會開催
毎年数回適当ノ期日ヲ選■シ、實業家、宗教家、教育者等ヲ聘シ、青年其他ノ為メニ通俗的講演ヲナシテ聴講セシム
五、青年團勤倹貯金ノ取扱
勤倹努力主義ノ青年ヲシテ貯金ヲ実施セシメ、毎月拾銭以上ヲ貯蓄セシムルコトヽシ、本會之シガ取扱ヲナシテ郵便局ニ預金ス
六、女子懇話會
毎年二回以上之レラ開催シ、一般ノ婦女子ヲ會シ、相互ノ懇話並ニ教育上ノ講演等ヲ聴聞セシメ、婦女子ノ思想ヲ向上セシムルコトヲ期ス
七、附属青年會
本會ノ附属トシテ字内ノ青年ヲ以テ組織シ、専ラ實業ノ改善、自治的思想ノ展開ニ努メ、青年ノ風氣改善ニ資セシトスト、鎌形学校同窓會
明治四十年(2007)一月二日ノ創設ニシテ、會員相互ノ交情ヲ温メ、智識ヲ交換スルヲ以テ目的トシ、菅谷第二尋常小学校卆業生ヲ以テ會員トシ、現在會員男女通シテ百四十九名。毎年一回一月ニ於テ総會ヲ開キ、名士ノ講演、又ハ適切ナル餘興等ヲナシ、又ハ臨時會同シテ出兵者ノ送迎其他會員相互ノ慶吊表示等ヲナス
第六節 帝國在郷軍人會菅谷村分會
菅谷村分會ハ明治四十三年(1910)十二月二十五日ノ創立ニシテ、菅谷村軍友會ノ改称ナリ。會員百十名アリ。明治四十四年(1911)二月、會員全部一致共同シテ労役ニ服シ、其賃金ヲ以テ、仝年五月十二日、第三■■分會旗ヲ購入ス。同年六月、地方有志ノ寄附金参百九十五円ヲ得以テ基本金トナシタリ
『菅谷村の郷土誌』1912年(明治45)?
帝國在郷軍人會菅谷村分會規則