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第6巻【近世・近代・現代編】- 第4章:教育・学校

第2節:幼稚園・保育園・小学校

志賀小学校

志賀の里

 この度新設小学校を志賀小学校と校名を定めるについていろいろ調査したその一部を述べよう。
 志賀の語源について
しが――志賀(滋賀)シガとは、東日本の方言で地方によって意味がすこしズレているが、氷、樹氷、霧氷、霜などのこと。朝鮮語でも樹架(シカ)という。スガ(須賀、菅)と云う方言も同源の語で似た意味である。長野県の志賀高原菅平など、志賀、菅はこの語である。
 霜や氷や雪は純白、清白でスガスガしいものである。サギという鳥も白サギと云って、純白、清白、潔白でスガスガしい鳥である。スガスガしい白いことを満州語でシャンギャン、モーコ語でチャガンと云うが、これは日本語のスガ、シガ、サギなどの語と音義とも似ている。
 ビルマ語セーゲ(霜)アラビア語のサキー(霜)ヘブライ語ズガ(スガスガしい)ハンガリー語ジェグ(氷)などとも似ている。純白の順の字の音ジュン、訓のスミ、スムとも似ている(山中襄太氏の人名地名の語源)。
しが――滋賀=近江国滋賀郡の村、大津町の北に接し琵琶湖の畔なり天智、弘文二天皇の旧郡、滋賀の大津宮の在りし所なり。其の宮趾は諸説あり、今定ならず、大字南滋賀の西崇福寺址の辺ならんとの説信に近しという。崇福寺は俗に志賀寺と呼び天智天皇の勅建にして延喜式十五大寺の一なりき。
(大田為三郎地名辞典)
其の他シガサト(志賀郷=京都)
シガスカ(志賀須香=愛知)
シコノオウワダ(志賀大輪田=滋賀)
シガノシマ(志賀島=福岡)
シガヤマ(志賀山=滋賀)
シガノヤマゴエ(志賀山越=白河越=奈良)
シガサカトウゲ(志賀坂峠=埼玉)等々志賀の名のつく所は雪多くの清浄の地域で古い貴址や伝説の多い所である。
編集委員 簾藤

『嵐山町報道』277号 1979年(昭和54)1月15日
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