第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌
比企郡寺院明細帳
埼玉縣管下武蔵國比企郡菅谷村字上(かみ)
同縣同國同郡遠山村(とおやまむら)遠山寺(えんざんじ)
曹洞宗*1 通幻派*2東昌寺(とうしょうじ)
*1:曹洞宗(そうとうしゅう)…鎌倉時代に道元(どうげん)によって開かれた宗派。福井県の永平寺(えいへいじ)と横浜市鶴見の総持寺(そうじじ)が大本山。
*2:通幻派(つうげんは)…南北朝時代の曹洞宗の名僧通幻寂霊(じゃくれい)の教えを弟子が受継いで広めた。その流れの人たちを通幻派という。一、本尊 阿彌陀如来(あみだにょらい)
一、由緒 當寺元ハ長慶寺(ちょうけいじ)ト稱シ村ノ南方古城蹟*1ノ東南字寺山ト稱スル所ニアリシヲ、廃城(はいじょう)ノ後今ノ千日堂(せんにちどう)ノ地*2ニ移シ置シヲ、其後又能國藝大ト云フ僧村民孫右衛門ナルモノト謀(はか)リ今ノ地ニ引移シ、旧号ヲ用ユ長慶山東昌寺ト稱セリ。再興ノ功ハ則本山二世幻室伊芳ナルモノニ譲(ゆず)リ、之レヲ勧請(かんじょう)開山ト稱ス
明治四十三年(1910)四月十二日本堂庫裡*3焼失ス一、本堂 間口 六間*4参尺*5
奥行 五間参尺*1:古城蹟(こじょうあと)…菅谷館跡。
*2:菅谷村字西側。
*3:庫裡(くり)…住職や家族の住む所。
*4:間(けん)…1間は約1.8メートル。
*5:尺(しゃく):1尺は約30.3センチ。
一、庫裡
一、境内 三百拾貮坪 民有地第壱種 共有東昌寺名受(なうけ)
一、境外所有地
畑反別(たんべつ)五畝(せ)拾八歩(ぶ) 菅谷村字上
地價(ちか)金五円五拾六銭(せん)九厘(りん)
畑反別壱反四畝拾五歩 同村同字
地價金拾四円四拾貮銭八厘
畑反別三畝廿四歩 同村同字
地價金三円七拾七銭九厘
畑反別六畝廿九歩 同村同字
地價金六円九拾三銭壱厘
畑反別八畝拾壱歩 同村同字
地價金拾円貮拾三銭六厘
畑反別九畝五歩 同村同字
地價金拾壱円貮拾壱銭五厘
畑反別三畝廿三歩 同村同字
地價金四円六拾銭五厘
畑反別壱反拾六歩 同村同字
地價金拾貮円八拾九銭八厘
畑反別七畝壱歩 同村同字
地價金三円七拾六銭四厘
畑反別四畝拾四歩 同村字西側
地價金三円四拾壱銭貮厘
畑反別八畝拾壱歩 同村字山王回(さんのうめぐり)
地價金八円三拾貮銭三厘
畑反別八畝貮歩 同村同字
地價金八円壱銭七厘
畑反別八畝廿四歩 同村同字
地價金八円七拾五銭貮厘
畑反別七畝拾歩 同村同字
地價金七円貮拾九銭八厘
畑反別五畝拾九歩 同村同字
地價金四円三拾壱銭五厘
畑反別八畝拾壱歩 同村字城
地價金拾円貮拾三銭六厘
林反別壱反七畝廿壱歩 同村字上
地價金四円四拾貮銭五厘
畑林反別壱反三畝拾六歩 同村字西側
地價金貮円七拾銭七厘
林反別貮畝拾五歩 同村字西裏
地價金三拾七銭五厘
畑林反別七畝弐拾九歩 同村同字
地價金壱円五拾五銭五厘
林反別壱反壱畝三歩 同村字女堀
地價金壱円六拾六銭五厘
林反別三反壱畝拾三歩 同村字山王回
地價金四円七拾壱銭五厘
林反別壱畝拾六歩 同村字城
地價金七銭七厘
林反別六畝七歩 同村同字
地價金九拾三銭五厘
林反別六畝五歩 同村同字
地價金三拾銭八厘一、檀徒*1 廿九人
*1:檀徒(だんと)…檀家の人々。
一、管轄庁迄(かんかつちょうまで) 拾里三拾貮町七間貮尺
以上
境外所有地
「昭和38年度文書 埼玉県学事課 比企郡寺院明細帳(一)」
一、畑壱反弐拾七歩 菅谷村大字菅谷字上一一番イ号
地價金六円九拾銭
一、畑五畝弐拾六歩 仝所 一一番ロ号
地價金参円七拾壱銭
一、畑弐拾八歩 仝所 一一番ハ号
地價金五拾九銭
一、山林七反六畝九歩 菅谷村大字菅谷字上六ノ一
地價金
一、弐畝弐拾四歩 仝所 字山王回五八七番
地價金四拾弐銭
一、山林壱反壱畝参歩 仝所 字上五〇番
地價金壱円六拾七銭
一、山林八畝弐拾六歩 仝所 字山王回六一五番
地價金壱円参拾参銭