第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌
比企郡堂庵明細帳
埼玉縣管下武蔵国比企郡平沢村字入
同縣同国同郡同村平沢寺持
曹洞宗三門派*1○不動堂(ふどうどう)
一、本尊 不動尊(ふどうそん)
一、由緒 人皇(にんのう)四十一代持統(じとう)天皇十八年*2二月建立。降テ宝永(ほうえい)七年(1710)二月再建
一、本堂 間口三間三尺
奥行四間一、境内 百七拾坪 官有地第四種
一、信徒*3 四拾六人
一、管轄廰(かんかつちょう)迄 拾壱里九町貮間四尺
以上昭和十七年(1942)三月三十一日比企郡菅谷村大字平沢天台宗平澤寺(へいたくじ)へ所属ノ件認可。
*1:宗三門派(そうとうしゅうさんもんは)…曹洞宗には三門派はない。天台宗の山門派の間違いではないか。1940年の宗教法人法の規定で仏堂は寺院に属することになり、その関係で不動堂が天台宗の平沢寺に属するようになったため、天台宗の山門派が誤記されたのではないか。
「昭和38年度文書 埼玉県学事課 比企郡堂庵明細帳」
*2:持統天皇は690年に即位し、在位7年。十八年では年数が合わない。
*3:信徒(しんじゃ)…信者。