(原図 保科 裕)
結晶片岩のでき方の考え方の一つを紹介します。
中生代ジュラ紀から白亜紀にかけて、東アジア東縁に沿う海底には大陸から運ばれた砂や泥、陸上の火山からもたらされた火山灰、海底火山の溶岩や火砕岩、そして深い海底には放散虫の遺骸が降り積もったチャートが堆積しました。
中生代白亜紀の終わりから新生代古新第三紀には、大陸縁辺の地下では花こう岩のマグマが発生して地殻を押し上げました。
このため、海底にたまっていた堆積物は低角度の衝上断層によって寸断され、順次海側にのし上げていったのです。
こうして、地下の押し込められた堆積物は、地下の高い圧力や熱によって変形・変成して三波川結晶片岩が誕生しました。