古里地区の兵執神社(へとりじんじゃ)には、イヌワシの古い剥製標本があります。この剥製(はくせい)について、その由来が記された神社への奉納額によると、明治の中頃のある年2羽の大きな鳥が飛来し、兵執神社の木に舞い降りたことがあったそうです。そのうち1羽が撃ち留められ剥製となって神社に奉納されたものだそうです。今からざっと100年以上も昔のことですので、細かいことは不明です。
イヌワシは本州の山岳地帯の中でも高くけわしい山地に住んでいて、絶壁の岩棚の上などに巣を作り、ノウサギやヤマドリ、ライチョウなどを捕らえて餌としています。しかし冬季にはまれに平地や海岸に姿を現すこともあります。現在では大変数が減って絶滅が心配されている鳥の一つです。